合掌
10月に入りました。先月は本山でコロナが明けて以来、久々の講習会となる「羅漢練拳~練磨と交流の集い」が行われました。受講者による演武発表は、開祖が少林寺拳法を創始するヒントとなった嵩山少林寺の白衣殿の壁画にある羅漢練拳図のようでもありました。老若男女問わず、世代や立場を超えて、共に楽しく修練しながら、自己を確立し、自他共楽の世の中をつくる少林寺拳法の原点に返った気がします。今月25日は少林寺拳法創始の日があります。今一度、少林寺拳法が何のために創始されたかを振り返る機会としていただきたいと思います。
さて、10月は金剛禅にとって大事な日がもう一つあります。金剛禅では本尊としている達磨大師が亡くなったとされる10月5日を達磨祭として、全国の教区や道院においてこの日に近い日を選んで儀式が営まれます。 達磨大師の遺徳を偲び、不撓不屈、七転び八起きの精神を私たちも日々の修行で身に付けていこうと誓い合います。
人生において困難はつきものです。心が挫けそうになることも1回や2回ではないでしょう。 しかし、私たち人間はそれを乗り越える力を持っています。たとえ挫けることがあっても、挫けて初めて知ることもあります。そしてそれを乗り越えたときには、成長と共に新たな景色が見えるはずです。どれだけ転んだってかまいません。転ばないようにすることも大事ですが、何度転んでも最後には立ち上がる、それが不撓不屈、七転び八起きという言葉で表される、あきらめない心と何度でも立ち上がる精神です。
これまで何気なく本尊に合掌礼をしていた方もいるかもしれません。拝むことにより何かを得られるわけではなく、本尊への合掌は達磨大師の不撓不屈、七転び八起きの精神に私たちもならっていこうと誓うことになります。
9月いっぱいまで暑さが続きましたが、ようやく秋らしい気候になってきました。今月は達磨大師の遺徳と少林寺拳法創始の原点に思いを馳せながら、思う存分修行に励み、身心共に磨いていきましょう。
合掌再拝