最新の記事 | 島原城南道院 | Page 12

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Shorinji Kempo

管長法話 Vol.101 夏の過ごし方と平和への思い

合掌osawa
 8月に入りました。
 今年も大変厳しい暑さが予想されます。子どもたちにとっては、思い出に残るたくさんの楽しみがあるとともに、宿題もたくさんやらなければならないのは、昔も今も変わらないのではないかと 思います。遊ぶことを優先すれば宿題はいつまで経っても終わりませんし、宿題に時間をかければ遊ぶ時間が削られてしまいます。
 厳しい暑さを理由に、目の前のやるべきことから逃げたくなるのも人間です。しかし、どれだけ大変なことも、自分が好きなこと、自分の好きな人のためならば頑張れるのも人間です。最初は気が乗らなかったとしても、そこに楽しさや価値を見出すことができれば、誰に言われなくても一生懸命に取り組むことができます。困難な状況に遭遇した時、その状況を嘆くのではなく、どうやったら目の前の状況を楽しめるか、どうやったら身の周りの人たちを喜ばせることができるかを考えて行動に移すことで、自らの力で現状を変えることができます。 それが自己確立、自他共楽の生き方です。
 また、8月は終戦記念日があります。「二度と戦争を起こしてはならない」という開祖の思いから少林寺拳法は始まっています。21世紀になって20年経った今も、残念ながら戦争はなくなっていません。私たち日本人の多くは戦争を直接、体験してはいませんが、私たちの今いる社会も、今あるこの命も多くの犠牲の上に成り立っていることを忘れてはなりません。戦時中は多くの命が無慈悲に奪われました。「もっと生きたかった」「平和な世の中を見たかった」という願いに対し、私たちはその後の世界を生きる者として相応しい生き方ができているでしょうか。
 開祖は、すべては「人の質にある」と説かれました。信条にある「世界の平和と福祉に貢献する」ために、私たち一人一人が、人としての質を高め、拳技としての少林寺拳法で終わるのではなく、世の中の役に立つ人となり、社会を良くしていく原動力となれるよう取り組んでいきましょう。
 夏本番、厳しい暑さが続きますが、熱中症には十分に気を付けながら、今月も金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝

インタハイ 報告会

        インターハイ報告会        佐々木えり夏

インターハイに参加して笑顔で終れたので良かったと思います。自分が目指していた245点に1点足りなかったけど、内容的にいい演武が出来たので悔いがありません。

途中で秋篠宮様が来られ、女子組演武の時に見られてお付の方が競技の説明をされているのを見て、みんな緊張されているなと感じました。自分が競技を見て感動したのが女子団体演武の武雄高校の予選がすごくかっこよくて鳥肌が立ちました。                      

準決勝、決勝では予選ほどの演武が出来なかったようですが予選はほんとすごくて1位で通過していました。全体的に九州大会(熊本県)でも言われていましたが、男子よりも女子がキリッ!としてかっこよかったし、憧れだなと思ったし、来年もチャレンジして出場したいと思います。直さなければならない箇所もたくさんあったし、浦先生からもアドバイスを受けている部分を努力したいと思っています。これからもご指導どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

インターハイのお土産を道院のみなさんへたくさん持ってきていただき感謝です。

飯塚道院長からのコメント

長崎県のインターハイ予選、熊本県での九州大会、そして北海道でのインターハイ出場へと繋がったきっかけは、学校にも少林寺拳法クラブも無い、高校も4月に入学してすぐに先生へ「私は少林寺拳法でインターハイの出場をしたいんですけどいいでしょうか?」とダメで元々で(^.^)自分から尋ねたら「いいですよ。協力しますよ」と言っていただいた。そこから、今回のインターハイへのチャレンジが始まっているのです。

道場へ来た時に「先生インターハイへの出場を学校が許可してくれましたので出場します」というので、エー!と驚きでした。そこで考えたのが、期間が1か月ほどしかない中で、審判員が最も重視するのは技の正確度、動きのキレや冴えを細かい腰、股関節、膝が連動する動作を意識出来たら可能性がある。   

そのためには、技の構成や残身など大枠の部分を弟が毎年最優秀に輝いていたので先ずは一緒に練習しながらタイムや動きで気づいた箇所を直してもらうように頼むとすぐに全体の出来が良くなった。                                         自分が本気になって素直に取り組んだら指導の言葉は染み込むように吸収していくものだと改めて実感した。                                      とにかく、修練に来るたび自分で変わって行った。                     

継続は力というが、小学生から修練を続け、ある段階で急に成長曲線が上昇する事が起きるが自分から挑戦した事で長崎県予選会で最優秀を獲得し、九州大会での体験、北海道での全国大会での同じ少林寺拳法を修練している高校生の姿を目の当たりにしたのは青春の多感な時期に素晴らしい経験がこれからの人生に大きな財産となることだろう。

いつも、感心するのは競技だけの世界だけに没頭するのではなく、教えや仲間や道院の雰囲気が自分を育てていると言う。

金剛禅が求めている「人づくり」の道を歩んでいる。

 

 

強くて 優しくて かしこい人を育てたい 開祖

7月23日の「出川哲朗の充電させてもらえませんか」の番組を見ていたら「高知&徳島」で取材している場所に自転車で来ていた子どもが出川に「時間が取れるようでしたら自分のお店にも寄って欲しい、カフェ店をしてます」と答え、じゃあ行ってみようとたつみ君のお店に向かいだします。

お店までの途中で信号機があり、「ここで撮影のスタッフの人たちを一旦待ちましょう」と全員が揃うと、「では行きましょう」と進みます。

テンパっている時ほど冷静になるそうだ。

「出川がどうしてお店に連れて来たの?」と聞くと、「お店の知名度が上がるから」と答えます。「お店は11時からなのでそれまで近くに神社があるのでお参りにでも行ってきていただいてから来てください」と配慮を見せる。 聞くと小学3年生という。番組を通してなんと賢く、周りの人に配慮を見せる姿に

開祖は「強くて 優しくて 賢い人を育てたい」と在りし日の講義で言われた言葉を思い出した。

開祖が望まれた「強くて 優しくて 賢い人」を育てたいと心から思う。

宗 道臣デー 「発表の部」 「体験参加の部」 「知的障害・発達障害の世界を体験してみようの部

   7月2日(日曜日)島原アーケード内のサンプラザ万町で宗道臣デーが開催され、拳士と一般の方約40人が参加し賑わいました。

宗道臣デーは少林寺拳法の創始者の想いを実践する活動で、今回は「身近な人の役に立つ」をメインテーマにみんなで内容を考えました。

小教区長馬場高嗣の開会あいさつで宗道臣デーが開幕。「発表の部」「体験の部」「セミナーの部」の三部構成で実施しました。

〇発表の部

演武、作文、護身術が発表されました。

演武発表では日頃の稽古の成果を披露しました。作文発表では少林寺拳法を通して自身が変化したことなどを3名が発表。護身術発表では子ども、女性、シルバーの3種類にわけて発表し、ユーモアのある解説に会場からは笑いも起こりとても和やかな雰囲気

「少林寺拳法を習って自分が変化した事」中学3年生       護身術発表 親子で参加

準備運動、キックミット体験、すぐできる護身術、坐禅会で盛り上がりました。

準備運動では制限時間内に少林寺拳法の挨拶を会場の何人とできるか競い身体と心をほぐしました。キックミット体験では初めてと思えないような突き蹴りをする方も多く皆さん笑顔で体験していました。すぐできる護身術では逃げることが最大の護身とした上で掴まれた時などの対応を学びました。坐禅会では丁寧な坐禅や呼吸の方法の話を聞き実際に坐禅を体験しました。

      護身術体験 お互い初めての体験者も楽しく取り組まれています。

    護身術の見本指導 相手に手をつかまれて引っ張られている時の守り方

長崎よかよか隊の講師の皆さまによる「知的障害・発達障害の世界を体験してみよう」の体験型セミナーがあり、伝えたいけど伝わらない・わかりたいけどわからない体験や「ちょっと」や「ちゃんと」を具体的に絵に描いてみる体験などを通して知的障害・発達障害やコミュニケーションの大切さについて学びました。

伝えたいけど伝わらない言葉、「ちょっとだけ」や、「ちゃんとして」を絵に描けない。     「リンゴ」や「ボール」は書けるし、イメージもできるのに「きちんとして」は相手に伝わらない。指導の時に同じような言葉を使っていないか?考えさせられた。

手に持っている用紙の四角の枠の中に抽象的な言葉を書けなくて、相手に伝わる優しさを学べるセミナーになりました。

最後に中島良平長崎有家道院長の閉会あいさつで盛況のうちに無事閉幕しました。

新型コロナウイルスの影響があり4年ぶりに集合型で開催でき、集まれる喜びを感じました。

参加者は子どもからお年寄りまで幅広く参加いただき、笑顔で体験している姿がとても印象的で、「楽しい少林寺体験と障害の理解がわかりやすく学べて参加して良かった。」「笑顔が溢れるステキな時間でした。」など嬉しい感想が聞けました。

今回は広報活動にも力を入れ、インスタライブの実施、島原市内各地にポスター掲示などを行ったお陰か、数人の方から問い合わせがあり、広報の効果も実感できました。

今後も人の役に立つ活動を継続して続けていきたいです。

管長法話 Vol.100 心気力と虚実

合掌
 今年も半分が過ぎ、7月に入りました。管長法話「縁起」は今月で100回目となります。osawa
 先般、本山では道院長講習会が行われ、同じ志を持って全国各地で布教の最前線に立つ道院長達が集まり、互いに学びを深めていきました。その中でも易筋行の時間は、休むことなく熱心に、しかも楽しそうに励んでいたのが印象的でした。道院長の年代が高齢化しているとはいえ、心も体も充実し、溢れんばかりの気力がみなぎっておりました。

さて、7月は子供たちにとっては楽しい夏休みが待っており、大人の方も夏から秋にかけて休暇を取る機会が増えてくるかと思います。これからの季節、生活習慣が乱れやすい時期でもあります。つい夜更かしをしてしまったり、冷たいものを飲みすぎたり、また室内外の温度差によって感覚が狂ったり、私たちの生活リズムを狂わせる要因がいくつもあります。
 そのような時に、「虚実」で言えば、十分に気を張って「実」の状態になっていないと、たちまち「虚」の状態になり、体のリズムが崩れ体調を崩すことにもつながります。修行科目表を開くと、「金剛禅門信徒の修行法」が掲載されています。この図を見ていくと、私たちの修行が道場の中だけで行われるものでないことがわかります。肉体の修練の中にある、消極的外修には、「休養、食養、排泄」とあり、十分に体を休め、体に合ったものを食べ、体内の食物の通りを良くすることも大事な修行となっています。
 中高年代以上の方は、健康が当たり前でないこと、健康でないと味わえないことがあることをすでに実感されていると思います。私たち人間も大いなる自然の働きによって生かされている存在です。自然の流れに逆らえばたちまち「虚」となり体調を崩しやすくなります。年代関係なく、日々の生活から門信徒の修行法を振り返り、自然のリズムに合わせた生活を心がけていきましょう。心気力を充実させて、今月も共に金剛禅運動に邁進していきましょう。
 管長就任当初より掲載してきた、管長法話「縁起」は今回で100回を迎えました。これもひとえに支えてくださる道院長、門信徒の皆様のおかげです。今後とも、月に1度オンラインマガジンを通して、法話の発信を行ってまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
合掌再拝

インターハイ全国大会(北海道)壮行会

2023年7月15日(土)インターハイ全国大会へ出場する佐々木えり夏拳士の壮行会を 午後8時10分から島原城南道院で行った。  

インタハイで行う競技は女子単独演武の部に出場。道院のメンバーと体験参加で来ていた3名の人も一緒に見守り演武を披露した。        

    

気合と気迫あふれる中に相手を想定した演武が一段と良くなって風格が備わってきた来ました。

演武の後に全員が見守る中、道院、拳士会、島原市少林寺拳法協会(市体協)からお祝いが送られ祝福した。

 

引き続き、インタハイへ出場する今の気持ちを語る。                     

「来週の水曜日から北海道で行われるインターハイ全国大会で女子単独演武に出場してきます。 初めてのインターハイ出場に学校へ少林寺拳法で高総体で出場したいのですが、と伝えたときにクラブがないので無理といわれるのかと思っていたら「いいですよ」と言っていただきとてもうれしかったです。道院の先生や先輩にアドバイスをしていただいたおかげで行けることができるようになりました。九州大会(熊本県)へ行った時もレベルが違うと思ったけど、全国大会のレベルはもっと高いと思うけど、自分が目指す245点を目標に頑張りますので応援よろしくお願いします」

全員で「えり夏ちゃーん」「インターハイ」「せーのっ!ガンバレ!」

☆宗道臣デーまであと10日☆

☆宗道臣デーまであと10日☆

 

いよいよあと10日!!

着々と準備は進んでいます!

皆さんお楽しみに!!

 

★インスタライブも同時配信!

(配信日時)

 7月2日(日)9:00〜12:00

(配信の目安)

 09:00〜 発表の部

   ▶︎演武、作文、護身術の発表

 09:45〜 体験の部

   ▶︎キックミット体験、すぐできる護身術、坐禅体験

 10:50〜 セミナーの部

   ▶︎講座「知的障害・発達障害の世界を体験してみよう」

 

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少林寺拳法の演武が生で見れたり、キックミット・坐禅体験や護身術講座など内容盛りだくさん!

長崎市から長崎よかよか隊様が駆けつけて「知的障害・発達障害の世界を体験してみよう」のセミナーをしてくださいます!

 

初めての方も大歓迎!!

みなさまの参加・見学お待ちしています!

 

○と き

 7月2日(日)9時~12時

 

○ところ

 サンプラザ万町(島原アーケード内)

 

※少林寺拳法の創始者の思いを実践する活動として「身近な人の役に立つ」をテーマにしたイベントです。

 

宗道臣デー 企画

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      少林寺拳法イベントやります!

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少林寺拳法のイベント開催が決定しました👏

少林寺拳法の演武が生で見れたり、キックミット・坐禅体験や護身術講座など内容盛りだくさん!

長崎市から長崎よかよか隊様が駆けつけて「知的障害・発達障害の世界を体験してみよう」のセミナーをしてくださいます!

初めての方も大歓迎!!🎊

みなさまの参加・見学お待ちしています!

        ○日 時   7月2日(日)9時〜12時

        ○場 所   サンプラザ万町(島原アーケード内)

※少林寺拳法の創始者の思いを実践する活動として「身近な人の役に立つ」をテーマにしたイベントです。

法を問い学を修める  vol.47 布施行のすすめ

布施行のすすめ

報道によると、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)世界最大手、米フェイスブック創始者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)(31)は、自身と妻が持っている同社の株式のほぼ全てを、慈善事業に寄付すると発表しました。
 寄付するのは二人が保有する株式の99%分で、時価総額は450億ドル(約5.5兆円)に上るといわれます。

 産まれたばかりの娘に宛てた手紙の中で「全ての親と同じように、私たちはあなたに、より良い世界で育ってほしい。私たちの社会には、これから世界にやって来る人たちの生活をより良いものにするために投資を行う責任がある」と説明しました。
 寄付する金額にも驚きましたが、なにより私たちの社会や未来の人々の生活をより良いものにするためにという「人の可能性の追求と平等促進」のための寄付とのことです。

 金剛禅も、生きている人間が少林寺拳法の修行を通じて、「まず己を拠り所として自己を確立し、そして他者のために役立つ人間になろう」という、自己確立から自他共楽への実践へと高めていく事を修行の目的としています。

 釈尊は成道後に61人の修行僧の集まりが成立した時に、「比丘たちよ。いざ遊行(伝道)せよ、多くの人たちの利益と幸福のために。世間を憐れみ、人々の利益と幸福と安楽のために」と伝道の旗印を高く掲げて法を説いていく決意を述べています。
 多くの人々の幸せを願って布教伝道に当たられた釈尊は当然ながら他者との共存、ないし「社会への貢献の重要性」も説かれています。

 「もろもろの修行者よ。包容の態度とは、これらの四つである。それらの四つとは何であるか。布施と、愛語と、利行と、同事である。」(雑阿含経二六)と、四摂法とか四摂事<社会的実践の重要性>を説かれています。
 四摂法とは私たちが社会生活をする中で行うことができる四つの修行とされています。
 「布施」は他者に分かち与えることです。与えるものは「もの」でも「こころ」でもよいとされています。
 「愛語」は親しみにある優しい言葉をかけることです。
 「利行」は人のために尽くすことです。他者のために努力することです。
 「同事」は心を一つにして他者と協力することです。
 人々を惹きつけて救うための四つの徳であり、私たち金剛禅門信徒も「四摂法」を実践することで「自他共楽」の理想境へとつながります。
 そのためには、布施の中でも人間関係を円滑にする「無財の七施」を行うことで自分の心も清浄になり相手にもやすらぎを与えられます。
 眼施(がんせ) 優しいまなざしで人に接しましょう。
 顔施(げんせ) 和やかな微笑みのある顔で相手に接しましょう。
 言施(ごんせ) 真心のこもった言葉で接しましょう。
 身施(しんせ) 人にために進んで行動しましょう。
 心施(しんせ) 慈悲の心、思いやりの心、いたわりの心で接しましょう。
 床座施(しょうざせ)気持ちよく席や場所を譲りましょう。
 房舎施(ぼうじゃせ)来客に対して温かい気持ちで迎えてあげたり、困っている人を助けましょう。
 このような身近な奉仕によって、自己を高めることができるとともに、世の中の人々の心を和ませることができます。
 またこの中の一つでも真心をこめて実行できれば、自ずと他の事も良くなっていくと思います。
 そうすれば、周りの人たちと仲良くでき、自らの心は安らぎ、ともに幸せな日々が送れるに違いありません。
(2016年8月16日 文/飯塚 久雄)

法を問い学を修める  vol.62 法座のすすめ

法座のすすめ

『私達は信をおなじうし、道をともにする人々の結合によって、真の意味における僧伽(佛教者の結合)を設立せんと念願するものである。』(『教範(初版・復刻版)』第四章宗教編三「主張」)
 金剛禅は人の心を改造することで拝み合い、援け合いの理想境建設を目指している。
 その手段として主行たる易筋行と鎮魂行とを両輪の修行として取り組んでいる。
 そして、この道を行じるための意味を改めて確認する機会として、金剛禅の儀式には「入門式」「新春法会」「開祖忌法要」「達磨祭」などがある。

 これらの儀式は布教の一環として、門信徒はもちろん、家族や金剛禅の活動を支援してくれる人達に教えを正しく理解してもらう絶好のチャンスである。
 法話を通じて繰り返しこの道が「人づくり」のために創始された目的を明確にすることで、一人でも多くの人々に理解を高めることができる。
 また、日々の修練の節目に金剛禅門信徒の修行法である内修の消極的に分類されている「感謝行」「反省行」「持戒行」にも心を配り、調和のとれた修行を行うのに適した「法座」がある。
 阿羅漢会=「感謝行としての場」、布薩会=「反省行としての場」、法座=「修行内容の点検や行動目標設定などの場」が用意されている。
 阿羅漢会としての感謝行は、拳士はお互い住居は別々でも食事を共にすることで食養の意義や共食を通して共に僧伽(さんが)の仲間意識を高めることが出来る。
 拳士や保護者は、お菓子や飲み物、果物などを持ち寄り、場を盛り上げるような企画をして食卓準備を整え、儀式の中に「鎮魂行」「褒賞」「感謝のことば」「法話」などの式次第を入れ、阿羅漢会の意味を伝える。褒賞には大会への出場者や、昇級・昇段試験での合格者、さらには学校等での表彰者をお祝いし、日常生活の中で些細な事にも感謝の心を持ち、その心境を全員の前で発表する。そこには喜びがあり、笑顔があふれている。

 布薩会としての反省行は、初期の仏教教団においても僧伽に所属する出家修行者が一ヶ月のうち二度、懺悔する時期が決まっていた。例えば『満月の晩になると必ず「ウポーサタ=布薩」という儀式が行われる。その時に代表になった人が真中に出て「戒本」というものを唱える。戒本というのは、そういうことをしてはならぬ、こういうことをしてはならぬという規則である。その規則を一カ条ずつ唱える。暗記しているのを唱える「こういう罪を犯した者はいないか」と一カ条ずついうのである。そうすると罪のないものは沈黙していた。黙っていた。経典に「罪のないものは沈黙していよ。罪を犯したものはそれを懺悔せよ」と書いてある。たとえば「嘘は言わなかったであろうな」ということをいうと、嘘をついた者は立ち上がって「わたしは実はこうこういうときに嘘を申しました」といって懺悔する。自発的にいうのである。』(「いのちの風光」紀野一義著 筑摩書房)

 道院においても「布薩会=反省行」を不定期に実施することによって修行に向き合う人が真実の魂に触れ「良く整えし己れこそ」へと変わっていける。
 多くの法話が一方的に布教されるのに対して、参加者全員が車座になっていろいろなテーマ(例えば修行内容の点検や行動目標の設定)を相互に話し合いながら教化し合う方法に「法座」がある。
 これらの法座が信を同じくする人たちにより、日常生活の具体的な悩みや悲しみにも向き合い、ともに語り合って苦悩を乗り越え、人生を精神的に強く、安らかな心で生きていける教化の場となれるように取り組んでみませんか。
 (2019年1月1日 文/飯塚 久雄)