立志式

 人生の節目にあたる立志式 志を持ち、人生を豊かに生き抜くために

2021年4月3日(土)午後8時から島原城南道院において、立志式を実施した。

 司会進行御厨文子拳士の「ただいまより島原城南道院立志式を開始します」と開式の辞の後に鎮魂行が儀式形式で行われ、最前列で立志式を受ける佐々木純拳士に対して飯塚道院長が式辞を述べた。

立志式式辞

小学校卒業おめでとうございます。

ご両親はじめ、たくさんの人に支えられて卒業を迎えられたことに感謝しましょう。

佐々木純君は2014年5月に保育所の年長さんの時に少林寺拳法に入門して、今日まで7年間休まず修練を重ね礼儀作法はもちろん、日々の修練の中から相対演練を通してお互いに協力し合う教育システムである少林寺拳法を学びながら、小学校の過程で人間として大切な基礎課程を学びました。

ご両親をはじめ、ご家族や、縁を結ばれている多くの人達にとって成長した姿は何よりも嬉しいことだと思います。

日頃の修練では指導的役割を担い、鎮魂行での主座や打棒、修練の始まりの道場訓でも模範となっています。

まもなく中学生になるこの時期に、立志式を行うことは、大変有意義なことだと思います

 立志式は昔の成人式にあたるものです。

数え年で15歳、現在の年齢で14歳の時に元服の祝いをしていたことに由来します。

他にも「元服式」「立春式」「少年式」などと呼ばれることがあります。

少年から大人への身体と心の成長に伴い、人生の大きな節目である中学入学の機会をとらえ“自分の心ざしを立てるため”のきっかけになるよう実施しました。

少林寺拳法は開祖・宗道臣先生が、敗戦で混乱している世の中で自分さえよ

ければ他人はどうなってもいい、自分の事しか考えない人が多くいる中で少しでも幸せな世の中を作ろうとして取り組んでいる時に、開祖のそばに集まった、私たちの大先輩の先生たちに技を通して絆を育て、「どうだ、一緒に住みやすい社会を作る手伝いをしないか」と声をかけて広がったんです。

いつの時代でも自分の事だけを考えている人よりは、半分でも他者のために役立つ生き方をしようとしている人は社会の中で必要とされます。

立志式にあたり、これからの人生において心の支えになるような言葉を贈りたいと思います。

1つ目は、「己こそ己の寄るべ、己を措きて誰に寄るべぞ、良く整えし己 こそ、まこと得がたき寄るべなり」

この言葉は教典の聖句の初めの言葉でもあります。釈尊(ゴーダマ・シッタルタ)であるお釈迦様の言葉で、自分にとって頼れるものは自分しかない。自分自身を鍛え、寄るべたる自分をつくっていく以外にないという自燈明の教えです。

自燈明というのは自分自身を頼りに出来て半分は人の事も考えられる生き方をする自らを燈火として身近な人たちにいたわりの心で接し、年下をいたわり、目上の人を敬い、頼りにされることをいいます。

2つ目は「人、人、人すべては人の質にある」という言葉です。

開祖が敗戦の状況の中で嫌というほど人間の醜さを見た中で、自分を犠牲にしてでも他者の役に立とうとした人がいたという事実を体験して、何がそうさせているの・・・・人間は見かけの外見ではなく、中身、即ち人間の本質でこそ行いが決まるということで、少林寺拳法の創始者 宗 道臣の言葉です。

平常なときには人は誰でも優しくなれるけど、戦争だけでなく、社会が混乱している今のコロナウイル影響で世界が大混乱になっている時に、自分さえよければ他人はどうなってもいいという人達が多くなる中でも自分をしっかり持って、他者のために尽くせる人がいます。このことを開祖は「人の質」といいました。

「半ばは自己の幸せを、半ばは他人(ひと)の幸せを」という言葉も、半分は他人(ひと)の事を考えられる人になりなさい、思いやりの慈悲心を持てという教えで、これも少林寺拳法の教えです。

3、「人生二度なし」の言葉は、一度きりの自分の人生です。

悔いのないように精いっぱい努力しなさいという教育者。森信三先生の言葉です。

これからの人生が幸せな事ばかりとは限りません。困難の連続で不幸だと思う事もあるかもしれません。私はどんな逆境の時にも、「起きた事はベスト」と考えて、自分が試されていると思うようにしています。人生において、失敗したり、転んだりした時には、「七転び八起き」いや「九転び十起き」の達磨のように頑張っています。自分の心を奮い立たせてくれた言葉、魂が揺さぶられた言葉、聞いて胸が熱くなる言葉恩師や尊敬する師の言葉などが自分にとって心の支えになるはずです。

「心の杖言葉」を持っていることで救われることがあります。

自分の人生を全うするにおいて一番大切なの事は、決して諦めない心を持ち、日々精進することです。常に自分を見つめ直し、自分には何が足りないのか、謙虚で素直な気持ちで自分の夢に向かって努力してください。最後に坂村真民「二度とない人生だから」を一緒に朗読して終えたいと思います。

立志式を受けた中学1年生になった佐々木拳士が「私の夢」を述べる。

「中学生になったら頑張りたいこと 将来はどんな大人になりたいか」佐々木純

僕は4月から中学生になります。中学生になったら勉強を頑張りたいです。

中学校の先生や、身近な人の話をよく聞いて、何でも進んで取り組めるようになりたいです。

少林寺では年下の人たちに教えられるようにたくさん修練をしたいです。そのためには先ず自分がたくさん修練することが大事です。

将来は誰にでも優しくでき、いろんな人とのコミュニケーションが取れる人になりたいです。

佐々木保護者会長からは立志式を迎えた事に喜びの祝辞を受ける

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