笑顔が広がる宗道臣デー(2021年)

1 はじめに

去年から続く新型コロナの影響で稽古やイベントが十分に出来ない状況になりました。私たち島原小教区も例外ではなく、昨年度の宗道臣デーを始めとする各イベントは中止になってます。

そんな中、今年も宗道臣デーを行う時期が来たので、例年どおり打ち合わせを行いました。

テーマは『コロナ禍だからこそ出来る事』です。

今までの概念に捕らわれず、個人で活動できて、今だからこそ「人との繋がり」を感じられるものはないかを、保護者を含めて一緒に考えました。ちなみに、保護者の方に企画から入ってもらうのは、今回が初めてです。

 

 約2週間の企画の募集期間を経て決まったのが、

『感謝の手紙を贈る』『新聞エコバッグを作る』という2つの案です。

なお、今回のもう一つの特徴として、打ち合わせは基本的にグループラインやオンライン会議で行っています。

 

2 感謝の手紙

 感謝の手紙を贈る活動です。日頃なかなか伝えられていない感謝の気持ちを、この機会に伝えようということで企画しました。日頃の感謝の気持ち、「ありがとう」を手紙を通して大切な人に伝えようというものです。

 伝える手段は基本的に「手紙」としていますが、手紙にこだわらず、例えば絵や写真など自分の得意な表現方法でOKとしています。また、渡す相手は、誰でも何人でもOKとしました。

 なお、手紙の内容は公表せず、周りの目を気にしないでありのままを伝えられるよう配慮を行いました。

 

3 新聞エコバッグ

 新聞エコバッグを作る活動です。資源を大切にする心を養うため、企画しました。

 アイデアは諫早市にある福祉施設で作っている新聞エコバッグです。古新聞を使って作成したエコバッグをお店に置いてお客様に無料で提供しています。

 最初は、この施設が行っている活動のように完成品をお店に置いてもらって、普及活動に繋げられたら、との話でした。しかし品質や数を作れるかの問題があったので、お店に置いてもらう事は保留にし、今回は身内に配るに留めておこうとなりました。

そして最終的に感謝の手紙と一緒に贈ろうとなりました。

 作成手順については、手順書を作成し、YouTubeの作成動画と併用してお知らせしました。

 以上が二つの内容の詳細です。決まったこの2つの案を各道院ごとにお知らせをして活動を開始しました。

 お知らせに使う資料は、少年部が理解しやすいよう、簡単な文とイラストを使って作成しました。

活動期間は約2週間です。

期間中に子ども達のフォローが出来るように一般拳士、保護者と共に協力しました。

 この活動を行うにあたり大事なポイントとして、『拳士だけでなく保護者も一緒になってやる』というのがありました。なので、子ども達にも、「あなたたちだけじゃないよ、大人もお父さんお母さんも一緒だよ」いうメッセージを送り、親子で共に取り組む意識を持たせました。

 

4 参加者の感想、目的に対する成果

 活動期間中には、それぞれ、手紙や絵葉書の他、食事を通して、ケーキを焼いてなど独自の方法で、家族、先生、門下生、友達、自分へと感謝の気持ちを伝えていました。

 提出された感想文には、

「文章にしないと分からない感謝の気持ちが分かった」「久しぶりに親子で物を作ったのが、楽しい時間だった。」「我が子の成長を感じられた」「贈ったつもりがもらったもののほうが大きかった」など、他にもたくさんの反響があり、年齢・職業問わず、感謝の気持ちを伝える大切さや、当たり前でない事に気付けた良い機会だった、との声が寄せられていました。

 また、活動の写真を見ると、贈った人も受け取った人、どちらもとても良い笑顔を見せており、穏やかで優しい気持ちの輪が広がっているのが感じられました。

他にも、今回の活動をとおして保護者との関係性も高まり、それが結果として子ども達の成長に繋がる事に気付かされました。

 

5 反省会

 反省会では、いくつか反省点や課題が見えてきました。

少年部と一般は割と参加していたのですが、保護者に関しては少し少ない参加人数で、最近入門した子どもや保護者が宗道臣デーというものを良く理解できていなかったのでは、という意見があがりました。ここに対しては、分かりやすいPRが出来ていたらもう少し参加率が上がったのではないか、と思います。

全体の評価としては、最初の試みとしてはとても良く、時間が限られた中で、それぞれが前向きに取り組めたのがすごく良い結果になったのではないか、とまとまりました。

特に少年部に関しては保護者会長の働きかけの影響でたくさんの人数の参加があっており、保護者会の存在の有難さを身に染みて感じました。

 

6 おわりに

 なかなか集まることが難しい今だからこそ、「人との繋がり」を感じられるものはないか、を保護者と一緒に考えてきたこの企画、『感謝の手紙』と『新聞エコバッグ』。

最初は「今年も宗道臣デーは無理かなあ。」と心の声も聞かれましたが、コロナ禍で活動が制限される中、中止ではなく、やり方や考え方を工夫して、保護者を含め全員で実施してきました。企画から反省会まで保護者ならではの意見が聞けたことで、質の高い活動に繋げられたと思っています。

初の試みで課題は残ったものの、たくさんの人の協力のお陰でとても心温まる行事となりました。

それぞれが、心に思うだけでなく行動に移したことで、幸せの輪が広がる結果に繋がったのだと思います。

今回の活動が一人でも多くの人の心に響いて、次に繋がるきっかけとなれば、大変嬉しいです。

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