道院行事
Shorinji Kempo

道院行事とは

金剛禅総本山少林寺の行事

金剛禅総本山少林寺の行事とは、金剛禅を修行する門信徒一人一人が、行事を通じて開祖宗道臣先生の志に思いを馳せ、行としての少林寺拳法の意義を再確認し、「人として生きること」について理解を深めるために執り行われます。一年を通じて下記の行事が執り行われています。

入門式

道院に新たな仲間を迎える行事です。新入門者は門信徒と参列者の前に立ち、入門の決意を誓います。入門式において道院長より話される法話は、生涯続けていく金剛禅の修行において、最も大切な事柄になります。入門式は、金剛禅の修行をする門信徒にとって、一生に一度しかない大切な儀式で、この日を境に、「本当の強さ」と「生きることの意味」を日々考え、行動する人間へと変わっていく第一歩を踏み出します。

新春法会

新春法会(ほうえ)とは、そこに集う皆で新しい年を祝うとともに、金剛禅総本山少林寺の聖典である「教典」を一緒に唱和したり、門信徒代表による決意表明を行い、道院長の年頭法話を聴いて、心新たにして一年の第一歩を踏み出すための行事です。
あわせて、允可状や精勤賞の表彰状の授与も執り行なわれ、皆で祝福します。

開祖忌法要

初代師家・宗道臣(以下、開祖と言う)の命日である5月12日に、開祖の「志」に思いを馳せ、遺徳を偲び、その偉業を称えて感謝する行事です。そして、あらためて、開祖の志を自分の志として、自己完成への道と人づくりの道に精進することを心に誓う行事です。

達磨祭

達磨祭とは、達磨大師の命日とされている10月5日またはその前後に、祖師達磨大師を礼拝し、その遺徳を偲ぶとともに、そこに集う皆で「拳禅一如」の修行に一層精進することをお互いに誓い合う儀式です。

11月度入門式

     11月6日(土)入門式を行いました。

入門者は10月に入門の本間拳士。司会進行はF.操中拳士三段 保護者、保護者会会長が揃った午後8時、「ただ今より島原城南道院11月度入門式を執り行います」と開式の辞が告げられ、導師献香、教典唱和、表白文奉読、請願文奉読は趣旨に沿って少年部用に作成した内容を奉読。導師から誓願文の項目ごとに再度読み上げ、「出来ますか?」「はい」と返事があり、最後の項目まで「はい」と返事があり「入門を許可します」と伝えると笑顔があふれる。

続けて入門者自己紹介、氏名、学校名 好きな食べ物などを述べた。

自己紹介ではしっかり前を向いて大きな声で話しました

導師法話では、少林寺拳法の修練内容について易筋行(技術)と鎮魂行(背骨を伸ばし呼吸を整える)学科や法話、コミュニュケーション能力を高めるための3分スピーチを全員の前で好きな食べ物や、趣味、感動したことなどを話してもらいます。 

月に1、2度は斎藤孝著の速音読を少年部と一般部に分けてタイムを計りますが、「走れメロス」などは、速い人は35秒や40秒の人もいますが、1分40秒や2分かる一般拳士もいます。読書を全くしない人が多くなっていますが文字を目で見て声に出す。という能力を高めていきたいと思っています。

保護者会長から歓迎の言葉と修練へ根おとり国について話された。

奉納演武は、全員が二人で技を交互に行い、最後はみんなで団体演武を行いました。

 

 

島原小教区公認研修会

10月6日(日)島原小教区公認講習会を実施しました。

      場 所  島原城南道院 

      研修内容 達磨祭法要 講義「教典」の意義 易筋行研修

      参加者  16名 長崎から今年も山田教区長他2名参加

 

午前9時より達磨祭法要を馬場小教区長が導師を務め10月5日の達磨の命日にちなみ、達磨の不撓不屈の精神と遺徳を偲び、今後も修行精進していくこと、そして私たち自身がこの活動を広げていく事を誓い達磨忌に想いを馳せました。

続いて講義「教典の意義」(法句経から見える金剛禅)講師は馬場小教区長。

レジュメに教典(狭義の基本書)として金剛禅教典と聖典(世界三大宗教)を対比させそれぞれの構成や説明、世界宗教の所以などを解説。日本仏教の成り立ち(大乗仏教)法句経第1品から26品までの中で第12品の自己(おのれ)158,159が金剛禅聖句に入っている意味を説明された。

10時半から正午まで技術研修会。担当者は飯塚道院長

テーマは「中心軸をやり取りする」「上虚下実を意識して腕や手の力に頼らない」           科目は龍王拳から龍華拳、龍華拳の変化技へとつなぐ。切抜、巻抜からの修練。

    

年末最後の稽古と大掃除

12月23日(土)今年最後の修練と大掃除

午後7時から8時まで修練。全体基本を中学生純拳士初段が行い、その後8時まで昇級試験練習

 

初段受験練習、新入門少年部と3グループに分かれて行う。

大掃除は鏡の前に置いている柔法マットを先日倉庫の中を業者に依頼して綺麗になったのでスノコを買い、その上に積み上げる。

 棚や、エアコン、建物換気扇、台所やトイレも自主的に行い、道場の床板の隙間に床板用セメントのマスキングテープを貼ってから子どもたちはワックス掛け。

 笑顔で楽しみながら協力して綺麗に拭いている。

 サンドバッグも道場内のクローゼットに収納して、古くなった胴10個ほどは廃棄して納戸の棚もスッキリする。

 子どもたちは8時半に集合して解散。お菓子のプレゼントに大喜び。

最後は中学生以上の一般部で残りの床にワックス掛けをする。

 仕上がって全体を見ると道場の鏡は2面とも使え、サンドバックを隅に置いてないので道場内が久しぶりにスッキリして広く感じる。大掃除完了は9時。残りの時間は自主練習にすると10時前まで各々のテーマに取り組んでいた。最後に全員集合して今年1年の感謝を述べて解散する。

立志式

 人生の節目にあたる立志式 志を持ち、人生を豊かに生き抜くために

2021年4月3日(土)午後8時から島原城南道院において、立志式を実施した。

 司会進行御厨文子拳士の「ただいまより島原城南道院立志式を開始します」と開式の辞の後に鎮魂行が儀式形式で行われ、最前列で立志式を受ける佐々木純拳士に対して飯塚道院長が式辞を述べた。

立志式式辞

小学校卒業おめでとうございます。

ご両親はじめ、たくさんの人に支えられて卒業を迎えられたことに感謝しましょう。

佐々木純君は2014年5月に保育所の年長さんの時に少林寺拳法に入門して、今日まで7年間休まず修練を重ね礼儀作法はもちろん、日々の修練の中から相対演練を通してお互いに協力し合う教育システムである少林寺拳法を学びながら、小学校の過程で人間として大切な基礎課程を学びました。

ご両親をはじめ、ご家族や、縁を結ばれている多くの人達にとって成長した姿は何よりも嬉しいことだと思います。

日頃の修練では指導的役割を担い、鎮魂行での主座や打棒、修練の始まりの道場訓でも模範となっています。

まもなく中学生になるこの時期に、立志式を行うことは、大変有意義なことだと思います

 立志式は昔の成人式にあたるものです。

数え年で15歳、現在の年齢で14歳の時に元服の祝いをしていたことに由来します。

他にも「元服式」「立春式」「少年式」などと呼ばれることがあります。

少年から大人への身体と心の成長に伴い、人生の大きな節目である中学入学の機会をとらえ“自分の心ざしを立てるため”のきっかけになるよう実施しました。

少林寺拳法は開祖・宗道臣先生が、敗戦で混乱している世の中で自分さえよ

ければ他人はどうなってもいい、自分の事しか考えない人が多くいる中で少しでも幸せな世の中を作ろうとして取り組んでいる時に、開祖のそばに集まった、私たちの大先輩の先生たちに技を通して絆を育て、「どうだ、一緒に住みやすい社会を作る手伝いをしないか」と声をかけて広がったんです。

いつの時代でも自分の事だけを考えている人よりは、半分でも他者のために役立つ生き方をしようとしている人は社会の中で必要とされます。

立志式にあたり、これからの人生において心の支えになるような言葉を贈りたいと思います。

1つ目は、「己こそ己の寄るべ、己を措きて誰に寄るべぞ、良く整えし己 こそ、まこと得がたき寄るべなり」

この言葉は教典の聖句の初めの言葉でもあります。釈尊(ゴーダマ・シッタルタ)であるお釈迦様の言葉で、自分にとって頼れるものは自分しかない。自分自身を鍛え、寄るべたる自分をつくっていく以外にないという自燈明の教えです。

自燈明というのは自分自身を頼りに出来て半分は人の事も考えられる生き方をする自らを燈火として身近な人たちにいたわりの心で接し、年下をいたわり、目上の人を敬い、頼りにされることをいいます。

2つ目は「人、人、人すべては人の質にある」という言葉です。

開祖が敗戦の状況の中で嫌というほど人間の醜さを見た中で、自分を犠牲にしてでも他者の役に立とうとした人がいたという事実を体験して、何がそうさせているの・・・・人間は見かけの外見ではなく、中身、即ち人間の本質でこそ行いが決まるということで、少林寺拳法の創始者 宗 道臣の言葉です。

平常なときには人は誰でも優しくなれるけど、戦争だけでなく、社会が混乱している今のコロナウイル影響で世界が大混乱になっている時に、自分さえよければ他人はどうなってもいいという人達が多くなる中でも自分をしっかり持って、他者のために尽くせる人がいます。このことを開祖は「人の質」といいました。

「半ばは自己の幸せを、半ばは他人(ひと)の幸せを」という言葉も、半分は他人(ひと)の事を考えられる人になりなさい、思いやりの慈悲心を持てという教えで、これも少林寺拳法の教えです。

3、「人生二度なし」の言葉は、一度きりの自分の人生です。

悔いのないように精いっぱい努力しなさいという教育者。森信三先生の言葉です。

これからの人生が幸せな事ばかりとは限りません。困難の連続で不幸だと思う事もあるかもしれません。私はどんな逆境の時にも、「起きた事はベスト」と考えて、自分が試されていると思うようにしています。人生において、失敗したり、転んだりした時には、「七転び八起き」いや「九転び十起き」の達磨のように頑張っています。自分の心を奮い立たせてくれた言葉、魂が揺さぶられた言葉、聞いて胸が熱くなる言葉恩師や尊敬する師の言葉などが自分にとって心の支えになるはずです。

「心の杖言葉」を持っていることで救われることがあります。

自分の人生を全うするにおいて一番大切なの事は、決して諦めない心を持ち、日々精進することです。常に自分を見つめ直し、自分には何が足りないのか、謙虚で素直な気持ちで自分の夢に向かって努力してください。最後に坂村真民「二度とない人生だから」を一緒に朗読して終えたいと思います。

立志式を受けた中学1年生になった佐々木拳士が「私の夢」を述べる。

「中学生になったら頑張りたいこと 将来はどんな大人になりたいか」佐々木純

僕は4月から中学生になります。中学生になったら勉強を頑張りたいです。

中学校の先生や、身近な人の話をよく聞いて、何でも進んで取り組めるようになりたいです。

少林寺では年下の人たちに教えられるようにたくさん修練をしたいです。そのためには先ず自分がたくさん修練することが大事です。

将来は誰にでも優しくでき、いろんな人とのコミュニケーションが取れる人になりたいです。

佐々木保護者会長からは立志式を迎えた事に喜びの祝辞を受ける

笑顔が広がる宗道臣デー(2021年)

1 はじめに

去年から続く新型コロナの影響で稽古やイベントが十分に出来ない状況になりました。私たち島原小教区も例外ではなく、昨年度の宗道臣デーを始めとする各イベントは中止になってます。

そんな中、今年も宗道臣デーを行う時期が来たので、例年どおり打ち合わせを行いました。

テーマは『コロナ禍だからこそ出来る事』です。

今までの概念に捕らわれず、個人で活動できて、今だからこそ「人との繋がり」を感じられるものはないかを、保護者を含めて一緒に考えました。ちなみに、保護者の方に企画から入ってもらうのは、今回が初めてです。

 

 約2週間の企画の募集期間を経て決まったのが、

『感謝の手紙を贈る』『新聞エコバッグを作る』という2つの案です。

なお、今回のもう一つの特徴として、打ち合わせは基本的にグループラインやオンライン会議で行っています。

 

2 感謝の手紙

 感謝の手紙を贈る活動です。日頃なかなか伝えられていない感謝の気持ちを、この機会に伝えようということで企画しました。日頃の感謝の気持ち、「ありがとう」を手紙を通して大切な人に伝えようというものです。

 伝える手段は基本的に「手紙」としていますが、手紙にこだわらず、例えば絵や写真など自分の得意な表現方法でOKとしています。また、渡す相手は、誰でも何人でもOKとしました。

 なお、手紙の内容は公表せず、周りの目を気にしないでありのままを伝えられるよう配慮を行いました。

 

3 新聞エコバッグ

 新聞エコバッグを作る活動です。資源を大切にする心を養うため、企画しました。

 アイデアは諫早市にある福祉施設で作っている新聞エコバッグです。古新聞を使って作成したエコバッグをお店に置いてお客様に無料で提供しています。

 最初は、この施設が行っている活動のように完成品をお店に置いてもらって、普及活動に繋げられたら、との話でした。しかし品質や数を作れるかの問題があったので、お店に置いてもらう事は保留にし、今回は身内に配るに留めておこうとなりました。

そして最終的に感謝の手紙と一緒に贈ろうとなりました。

 作成手順については、手順書を作成し、YouTubeの作成動画と併用してお知らせしました。

 以上が二つの内容の詳細です。決まったこの2つの案を各道院ごとにお知らせをして活動を開始しました。

 お知らせに使う資料は、少年部が理解しやすいよう、簡単な文とイラストを使って作成しました。

活動期間は約2週間です。

期間中に子ども達のフォローが出来るように一般拳士、保護者と共に協力しました。

 この活動を行うにあたり大事なポイントとして、『拳士だけでなく保護者も一緒になってやる』というのがありました。なので、子ども達にも、「あなたたちだけじゃないよ、大人もお父さんお母さんも一緒だよ」いうメッセージを送り、親子で共に取り組む意識を持たせました。

 

4 参加者の感想、目的に対する成果

 活動期間中には、それぞれ、手紙や絵葉書の他、食事を通して、ケーキを焼いてなど独自の方法で、家族、先生、門下生、友達、自分へと感謝の気持ちを伝えていました。

 提出された感想文には、

「文章にしないと分からない感謝の気持ちが分かった」「久しぶりに親子で物を作ったのが、楽しい時間だった。」「我が子の成長を感じられた」「贈ったつもりがもらったもののほうが大きかった」など、他にもたくさんの反響があり、年齢・職業問わず、感謝の気持ちを伝える大切さや、当たり前でない事に気付けた良い機会だった、との声が寄せられていました。

 また、活動の写真を見ると、贈った人も受け取った人、どちらもとても良い笑顔を見せており、穏やかで優しい気持ちの輪が広がっているのが感じられました。

他にも、今回の活動をとおして保護者との関係性も高まり、それが結果として子ども達の成長に繋がる事に気付かされました。

 

5 反省会

 反省会では、いくつか反省点や課題が見えてきました。

少年部と一般は割と参加していたのですが、保護者に関しては少し少ない参加人数で、最近入門した子どもや保護者が宗道臣デーというものを良く理解できていなかったのでは、という意見があがりました。ここに対しては、分かりやすいPRが出来ていたらもう少し参加率が上がったのではないか、と思います。

全体の評価としては、最初の試みとしてはとても良く、時間が限られた中で、それぞれが前向きに取り組めたのがすごく良い結果になったのではないか、とまとまりました。

特に少年部に関しては保護者会長の働きかけの影響でたくさんの人数の参加があっており、保護者会の存在の有難さを身に染みて感じました。

 

6 おわりに

 なかなか集まることが難しい今だからこそ、「人との繋がり」を感じられるものはないか、を保護者と一緒に考えてきたこの企画、『感謝の手紙』と『新聞エコバッグ』。

最初は「今年も宗道臣デーは無理かなあ。」と心の声も聞かれましたが、コロナ禍で活動が制限される中、中止ではなく、やり方や考え方を工夫して、保護者を含め全員で実施してきました。企画から反省会まで保護者ならではの意見が聞けたことで、質の高い活動に繋げられたと思っています。

初の試みで課題は残ったものの、たくさんの人の協力のお陰でとても心温まる行事となりました。

それぞれが、心に思うだけでなく行動に移したことで、幸せの輪が広がる結果に繋がったのだと思います。

今回の活動が一人でも多くの人の心に響いて、次に繋がるきっかけとなれば、大変嬉しいです。