管長法話 Vol.100 心気力と虚実

合掌
 今年も半分が過ぎ、7月に入りました。管長法話「縁起」は今月で100回目となります。osawa
 先般、本山では道院長講習会が行われ、同じ志を持って全国各地で布教の最前線に立つ道院長達が集まり、互いに学びを深めていきました。その中でも易筋行の時間は、休むことなく熱心に、しかも楽しそうに励んでいたのが印象的でした。道院長の年代が高齢化しているとはいえ、心も体も充実し、溢れんばかりの気力がみなぎっておりました。

さて、7月は子供たちにとっては楽しい夏休みが待っており、大人の方も夏から秋にかけて休暇を取る機会が増えてくるかと思います。これからの季節、生活習慣が乱れやすい時期でもあります。つい夜更かしをしてしまったり、冷たいものを飲みすぎたり、また室内外の温度差によって感覚が狂ったり、私たちの生活リズムを狂わせる要因がいくつもあります。
 そのような時に、「虚実」で言えば、十分に気を張って「実」の状態になっていないと、たちまち「虚」の状態になり、体のリズムが崩れ体調を崩すことにもつながります。修行科目表を開くと、「金剛禅門信徒の修行法」が掲載されています。この図を見ていくと、私たちの修行が道場の中だけで行われるものでないことがわかります。肉体の修練の中にある、消極的外修には、「休養、食養、排泄」とあり、十分に体を休め、体に合ったものを食べ、体内の食物の通りを良くすることも大事な修行となっています。
 中高年代以上の方は、健康が当たり前でないこと、健康でないと味わえないことがあることをすでに実感されていると思います。私たち人間も大いなる自然の働きによって生かされている存在です。自然の流れに逆らえばたちまち「虚」となり体調を崩しやすくなります。年代関係なく、日々の生活から門信徒の修行法を振り返り、自然のリズムに合わせた生活を心がけていきましょう。心気力を充実させて、今月も共に金剛禅運動に邁進していきましょう。
 管長就任当初より掲載してきた、管長法話「縁起」は今回で100回を迎えました。これもひとえに支えてくださる道院長、門信徒の皆様のおかげです。今後とも、月に1度オンラインマガジンを通して、法話の発信を行ってまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
合掌再拝

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