7月13日 土曜日 今日の3分間スピーチは道場まで片道1時間半程の道のりを長年通い続けている女性拳士です。スピーチ能力は高く、語彙力も豊富で、人生に真っ直ぐ向き合い時々悩みながらも人生をより良く豊かに過ごしたいと少林寺拳法の教えを生かしている素敵な人です。
私は特別支援学校の高等部で働いていています。主な仕事内容は清掃の授業に入って清掃の仕方を教えることです。授業の目的は、将来清掃関係の仕事に就く・就かない関係なく、掃除を通して綺麗にする技術の習得の他コミュニケーションの取り方や仕事に取り組む姿勢を身につけるためです。
この清掃は技術を競う大会があります。『障害者技能競技大会』と言って、障害を持った人たちが各技術を競う大会です。先週長崎県大会が開催されました。優勝者は全国大会へ出場できます。私の学校の生徒はその中の清掃部門に出場しました。
出場できる人は校内選考を通過した3年生の内の2人のみです。6月から練習を始めましたが、6月は長期の職場実習があったので思うように練習を重ねられなかったため、練習回数は実質10回もありませんでした。そんな状況の中当日を迎え、トップバッターとして実技を始めます。ものすごく緊張していたらしいです。練習ではなかった掃除機のコードが絡まったりゴミが上手く吸えなかったりとしたトラブルに本人はすごく焦っていましたが、次の種目ではその焦りや不安などを全く感じさせない堂々とした実演をしました。
結果は残念ながら入賞できず。
私はなんとか入賞してもらいたいと思っていましたが、大会が終わった後にとても充実していました。理由はその生徒が大会に向けてたくさんがんばってきていた姿勢を見ていたからです。実演が終わったあと、私はその堂々たる姿を見てとても感動して涙ぐんでしまい、「順位なんてどうでもいい。」と思うくらい満足しました。
実際結果を聞いて、正直なところ「どうしてかな」「上位に行けるレベルだと思ったのになあ」と悔しかったですが、少林寺拳法と一緒で、結果が全てじゃない。入賞出来たら嬉しいが大事なのは結果ではなくそこに至るまでの過程だよ、という教えと同じだと思いました。
途中経過でいかにがんばるかというのが、もちろん本人のためにもなるが、その姿勢が周りにどういう風に良い影響を与えるのかを知ってほしいと思いました。皆さんががんばっているのは、自覚している以上に周りにすごく良い影響を与えています。これからも過程を大事にして、自分自身も含め皆さんそれぞれに少林寺拳法も学校生活も仕事もがんばっていけたらいいなと大会を振り返って思った出来事でした。(福島 m 三段拳士)