管長法話 Vol.99 金剛禅は人間尊重の教え

合掌
 6月に入りました。新年度が始まって早2か月、新しい環境にもいよいよ慣れてきた頃ではないでしょうか。
 さて、先月は本山で道院長講習会が行われ、一次の2日目には開祖忌法要が執り行われました。

 その中で、「金剛禅は人間尊重の教えである」ことをお話しさせていただきました。 
 私たちは誰もが宇宙の大いなる力、ダーマの分霊を持つ可能性の種子であり、誰もが修行によって人格を高め、成長していくことができます。

その修行は、徒手格闘、護身の技術を用いながらも、相手を倒すことではなく、同じダーマの分霊を持つ人間同士、互いの可能性を信じて、共に成長していくことを願って行われます。この心持ちで修行するからこそ、自分自身を拠り所としながら、自分の幸せだけでなく、相手の幸せも考えて行動できる人を育てることにつながっています。
 

 また、私たちは日々、金剛禅の教えを学び、ダーマの徳性を発現すべく修練を行い、そこで得たものを日常生活や社会活動の中で生かそうと努力しています。それを続ける中で、生きている喜びや、生かされていることへの感謝、人と人とのつながりがもたらす心の豊かさや幸福感が大きく育っていきます。平和や幸福は、誰かの犠牲の上には成り立ちません。時間はかかってでも、自分の周りから平和で豊かな社会を広げていく以外にありません。
 そして今、私たちに与えられている命は一生に一度きりのものです。どうか与えられた命を、生きている間に存分に使って、多くの人を幸せにし、社会に役立てていってください。
 今月も私たちの内にあるダーマの徳性を存分に発揮していけるよう、共に金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝

いいね!>> いいね! 0人