合掌
11月に入りました。先月は本山で達磨祭が行われました。各都道府県においても達磨祭をはじめ、金剛禅大会、易筋行大会等、各種行事が昨年以上に活発に行われております。また嬉しいことに、先々月本山に泊まり込みで行われた中堅道院長“鍛錬”特別合宿の参加者たちが自主的に集まって研鑽し合うなど、各地で動いてくださっています。
さて、世の中に目を移しますと、先月末は衆議院議員総選挙が行われ、与野党の議席数が入れ替わり今後の国政が注目されています。また、今月はアメリカの大統領選が行われます。これら政治の動きは、国家間の関係だけでなく、景気変動や私たちの暮らしにまで影響が及びます。先行きが不透明な時代と言われて久しい現代、そして世の中が大きく変わろうとしている現在、時の流れは止まってはくれず、私たちは進み続けるしかありません。
そのような時代を生きる私たちが頼りとすべきは、釈尊が教えられた、自らを拠り所とする自灯明、法(ダーマ)を拠り所とする法灯明の2つです。諸行無常、世の中は移ろいゆくのが当たり前。その世の中を生き抜いていくには、自分の周りの環境が変化していくのに振り回されることなく、自灯明と法灯明という燈火を持って生きていくことです。その燈火は修行によって明るくすることができます。
人生は変化の連続であり、修行そのものです。そして修行はその人の人生を苦しめるためのものではなく、切り拓くためにあります。先行きが見えないことに対して不安で動けなくなるのではなく、修行により自灯明と法灯明を携え、自分を信じ、仲間と信頼し合って進んでいきましょう。
秋になって朝晩冷え込むようになり、これから冬に向けて寒さが厳しくなっていきます。それでも心は温かく、思いは強く、前を向いてこの季節を共に乗り越えていきましょう。
合掌再拝