合掌
8月に入りました。
今年も大変厳しい暑さが予想されます。子どもたちにとっては、思い出に残るたくさんの楽しみがあるとともに、宿題もたくさんやらなければならないのは、昔も今も変わらないのではないかと 思います。遊ぶことを優先すれば宿題はいつまで経っても終わりませんし、宿題に時間をかければ遊ぶ時間が削られてしまいます。
厳しい暑さを理由に、目の前のやるべきことから逃げたくなるのも人間です。しかし、どれだけ大変なことも、自分が好きなこと、自分の好きな人のためならば頑張れるのも人間です。最初は気が乗らなかったとしても、そこに楽しさや価値を見出すことができれば、誰に言われなくても一生懸命に取り組むことができます。困難な状況に遭遇した時、その状況を嘆くのではなく、どうやったら目の前の状況を楽しめるか、どうやったら身の周りの人たちを喜ばせることができるかを考えて行動に移すことで、自らの力で現状を変えることができます。 それが自己確立、自他共楽の生き方です。
また、8月は終戦記念日があります。「二度と戦争を起こしてはならない」という開祖の思いから少林寺拳法は始まっています。21世紀になって20年経った今も、残念ながら戦争はなくなっていません。私たち日本人の多くは戦争を直接、体験してはいませんが、私たちの今いる社会も、今あるこの命も多くの犠牲の上に成り立っていることを忘れてはなりません。戦時中は多くの命が無慈悲に奪われました。「もっと生きたかった」「平和な世の中を見たかった」という願いに対し、私たちはその後の世界を生きる者として相応しい生き方ができているでしょうか。
開祖は、すべては「人の質にある」と説かれました。信条にある「世界の平和と福祉に貢献する」ために、私たち一人一人が、人としての質を高め、拳技としての少林寺拳法で終わるのではなく、世の中の役に立つ人となり、社会を良くしていく原動力となれるよう取り組んでいきましょう。
夏本番、厳しい暑さが続きますが、熱中症には十分に気を付けながら、今月も金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝